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物語その5
用意するものは、石と精霊。どんな石にして、どんな精霊にするか。それを決めなくてはいけない。
「ジル。どんな精霊がいいだろうか?」
「そうねぇ……。世界平和でしょ? う~ん……。そうだわ! 慈悲深くて、魔力が高い精霊が良いんじゃないかしら」
「わかった。じゃぁ、それを一週間で頼む」
「一週間ね。お安いご用だわ!」
ジルはそういうなり、わたしの家から退散した。わたしは、石をどうするかを決めるため、石をコレクションしている部屋へ向かった。
黒い石、紫の石、赤い石、黄色い石……。たくさんの石が棚を埋めている。よく集めたなぁ。うん? これらの石は、どうやって集めたんだっけ。あれ? そもそもなんのために……?
「まぁいいか」
多分その時の自分の趣味だったのだろう。わたしはそんな事を思いながら、棚を見ましていると、ある石が目に留まった。