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物語その3
「今回ばかりは大変そうねぇ、アラスター」
二つの国がかかわっていることだし、まず簡単にはいかないだろう。
「そうだな……。どうしようか」
この言葉をいうと、ジルは周りをウロウロしなくなった。今の言葉は、わたしが今から考え事をするぞ、という合図なのだ。
「……。」
さて、何が最善策なのだろう。わたしが今までで得た知識。その中で、最もいい解決策は何だ。本で得た知識、魔法学校で教わった知識、いろいろある。きっと解決できる策なら無限とある。その中での最善策は何だ? きっと考えが無限とあっても、その中での正解は一つしかない。そう考えていると、あることがわたしの頭をよぎった。そうだ! これならいけるかもしれない。
「ジル! いいのがあるぞ」
彼女は、珍しい紫色をしたもともと大きい目をさらに見開いた。
「あ、アラスターそれはどういうものなのかしら。聞かせて頂戴」
「勿論、話すさ」
大事な親友だからな、と心の中で付け加えた。