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Ifの切り札  作者: 乃石 詩音
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物語その14

 戦争は終わらせた。私の一番最初の御主人様が願った、平和な日々をとりもどすことができた。……違う。そうじゃない。きっと私の御主人様が思っていたのとは違う結果になってしまった。私はたくさんの犠牲を出すことで戦争を終わらせた。御主人様は、平和を願って、自分の罪を償うために(御主人様はその記憶が残っていないから意図したわけでもないのだろうけど)ifというこの組織を立ち上げたはず。でも最近、他の五人の性格が乱れてきている気がする。より「悪」へ、より「黒」へ進んでいる気がする。あの五人はこの前組織の代表である私の許可を取らずに行動を起こしたし。これでさらに犠牲が増えてしまった。……。

 どれくらい考え事をしていただろう。ずっと前から私は考え事ばかりしている気がする。あの五人のせいで。あぁ、もう頭が爆発しそうだ。

「パァンッ」

そんな音を出しながら私が宿っている石は今までのどんな時よりも強い光を放っている気がした。石の外では子どもたちの叫ぶ声が聞こえる。そうか、私考えすぎで、力を暴発させちゃったんだ、きっと。悪いことしたなぁ。今の御主人様は、少し強欲なところもあったけど、優しい人だったのに。……、悪いこと? 私が力を暴発させたのは何で? 私が力を暴発させたのは、考え事をしすぎたから。一体何をそんなに考えていた? あの五人が最近「悪さ」ばかりすることを考えていた。そう、全てはあの五人のせいだ。慈悲深いはずの私が、今ので一体何人の人を殺した? そろそろ私は引退するべきなのかも知れない。「平和を得るための石」という役目から。

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