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物語その11
私は久しぶりにアラスターの家に行こうと思っていた。新聞の一面を読むまでは。内容は、今回の戦争の原因についてだった。アラスターが、今戦っている国、ヴェニソムニアで、入山禁止の山でアルカヌムストーンを採り、論争が戦争に発展した、ということだった。もともと国の双子が争っていたというのに、油に火をそそぐようなことだ。さらに、おととい新設されたモンペリエ校の校長からの連絡で、そのアラスターが姿をくらましたとのことだ。私もアラスターを手伝ったし、見つかれば、ただじゃすまないだろう。しかしアラスターは私に何も知らせず、わざわざ海を渡ってヘルイユまで行ったの? しかし、ifの数少ないメンバーが減ってしまった。堂々と声をかけられる立場でもなくなってきたし、どうやって人をあつめようかしら……?
「良いアイデアがあるわ!」
人が足りないのなら、私の得意な精霊で補えば良い。