ダンシングソード ~踊るプリンと建国記2~
みなさんはご存知だろうか? モンスターには人間のように“意識”を持つものがいることを。ここに、一匹の大型モンスターがいる。このモンスターもまた、意識を持つ数少ないモンスターの一匹である。そう、大型モンスターで唯一レベル1評価を受けている、異例のモンスター、『プリンプリン』である。
普通、大型モンスターというだけで、レベル15以上が確定するのだが、このプリンプリンだけは例外である。このプリンプリンというモンスター、体長は優に60メートルを超える。大型モンスターの中でも特に巨大な部類に属する、黄色いスライムの様なモンスターである。人間の言葉をしゃべることは無いが、人間の言語による意識を持つ、珍しいモンスターである。
今日は特別に、そんなプリンプリンの意識を覗いて見ようと思う。
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~プリンプリンのとある1日~
【※これより以下の文章中、()内の文章はプリンプリンの意識となっています。読みにくかったらごめんなさい】
「さてと、まずは国名でも決めるか。王である俺の名前からとって、『オシリス王国』なんてどうかな?」
「プルプルプリン♪」
(ぷぷぷ、だっせー名前だな! オシリス王国だって! 誰も住みたいと思わねぇーよう!)
※プリンプリンという名前の方がダサいです。
「うーん、でも自分の名前をそのまま国名にするのもなぁ……。そうだ、この国のシンボルであるプリンプリンの名前をつけるのはどうだろうか?」
「プルプルプリン♪♪♪」
(……プリンプリン王国。カッコイイじゃねーか!!!! いいぞ、いいぞ、オシリス! お前センスあるな)
※プリンプリンという名前、ダサいです。
「そうだ! この国の王である俺の名前と、この国のシンボルであるプリンプリン。この二つの名前をあわせたら……」
「プルプルプリン!!!!! ダメプルリン!!!」
(それはダメだ!! それだけは、やっちゃだめだぁああああ!!!)
※勘の良い人はもう、おわかりですね?
「よし決めた! この国の名前は、『オシリプリン王国』にしよう!」
「プルプルプリン……」
(あぁ……やっちまった)
この日、『オシリプリン王国』が産声を上げた。
――続く?