二百字掌編シリーズ 『青き目をした同心』

百四

「おまえも楊組やな？」

　この破近に向って、霊鳳が目を大きくし

「に、二代目に向って、おまえて！　失礼な男ですよねえ、ったく。この方はねえ、楊組二代目の吉衛門様なんだよ！」

「はあ？　そんなん、どうでもええやん。ま、とにかくな、おまえさんらの方こそ一枚役者が上やわ。ホンマ、閻魔さんでも嫌がりよっで！」

「フン。いくらお役人さんでも許しはしないよ！」

　早速、懐から小刀を取り出してきた霊鳳。そして、同じく吉衛門も――