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九十七

 すぐに、その姿を確認できた破近


「はあ? 何や縛られてるやん!」


 そこに駆け寄った種子が


「つ、蕾ちゃん! 大丈夫?」


 これに、ようやく顔を上げた蕾


「あ、種子お! よく来てくれましたあ」

 そして、すぐに後ろにいる破近にも気づき


「ご、ご主人様あー! えーん!」


「な、泣くな! 他さんに見られでもしたら、変なオッサンに見られるやんか!」


「で、でもお……えーん!」


「おい、泣くならな、お江戸に戻ってから思いっきり泣きさらせ!」


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