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八十九

 そして、見事に扇が花を切り落としてしまった。

 これを目の当たりにした二人も


「おおっ!」


「これはこれは!」


「てへっ!」


 これに照れる種子、何故かいきなり走り出し?


「い、いちいち、拾いにいかなアカンのかいな!」


 だが種子、少しも悪びれず


「まだ戻ってくるところまでは取得してないんで!」


 さすがに溜め息をつく破近。


「はあ」

 そして、走っている相手の背に


「種子! それって何本持ってんねん?」


「はい、この一本だけです!」


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