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六十五

「ど、どこの組の仕業で?」


 この弥三郎の問いに、眉を潜めた辰爺が


「この内容からすると……」

 ここで声を落とし


「おそらくは、紅梅会」


「じゃ、じゃあ、さっきの仏さんが死ぬ前に?」


 だが辰爺、それには答える事なく


「まあ、弥三郎さん。まずは、こいつを見てもらえませんか?」


 弥三郎が、差し出された文をしげしげと見ているうちに


「こ、こりゃあ、おなごに決まってる。その字面といい、平仮名ばっかしのとこといい、間違いない」


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