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四十

「まあ、そんなに落ち込まず。ささ、一杯」


「あ、はい」

 素直に盃を差し出す娘


「でも、父上に会わす顔が」


 これに陽気な男が


「父上って?」


「ええ。これでも私、二代目なんです」


「に、二代目!」

 だが、すぐに声を潜め


「さ、さいでしたか」


「ええ。組の二代目が女だとわかっては箔がつかないと」


 陽気な男、励ますつもりで


「残念でしたねえ、せっかくの貧乳だったのに」


「ええ。つか……」

 面を挙げた娘、大声で


「貧乳って言うなあ!」


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