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三十六

 何回か酒を酌み交わすうち


「それにしても、ヒック、あの鶯野郎がおなごだったとはねえ、ヒック」


「ああ、あれかい? 一目でわかったよ、ヒック、貧乳だったけどねえ、ヒック」


 蕾も下戸なら、相手も輪にかけてそのようだ。

 小豆色、さらに酒を相手の盃に注ぎながら


「さすが姐さんだ。で、お願いが、ヒック、あるんですがね」


「おっとっと! ヒック、何だい? お願い事って?」


「へい。実は、ヒック、姐さんの舎弟にしてもらえないかと」


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