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三十五

 そしてこっちは、その四分の一にも満たないくらいの


「おしんでございます。よろしくお願いします」


「か、可愛い!」


 思わず飛んできた小豆色の声に、頬を染めるおしんちゃん


「お、恐れ入ります」



 鯛やら平目にパクついてる蕾。

 そこに寄ってきた小豆色が


「いやあ、姐さんの言葉には胸がスッとしましたぜ」

 そう言いながら、手にした徳利を


「ささ、一杯やっておくんなせえ」


 断るのも何だか似合わないと思った蕾


「あら、アリガトさん!」


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