二百字掌編シリーズ 『青き目をした同心』

二十八

「こちとらだって、これだけの組が集まってるんだ。ここは思い切って殴りこみやしょうぜ！」

　この小豆色の発言に、鶯色が

「ガキの喧嘩じゃあるまいし」

　これに小豆色が言い返そうとしたところ、例の堅物濃紺男が

「確かにそれは短絡的かと。偉そうに言っても、まだこちらは江戸の三割程度しか仕切ってない。せめて半数はいかないと」

　これには、二色の女が闘争心剥きだしで

「指を咥えて待ってる間に、相手に牛耳られるに決まってるよ」