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十八

 やや緊張気味の蕾。島の旅館に到着するや否や、早速厠へと飛び込んでいる。


「ホッと一息ですう」


 そして広間に入ると、すでに大きな卓の左右に五人、それと正面の上座には先ほどの辰爺が座っていた。


「ささ、おたくさんはその席にどうぞ」

 

 この島で唯一の旅館が、今回の会合の場所である。

 その女将の春代の指示通りに、無言で着席した蕾。左手の一番手前の席だ。

 なるべく口を開かんようにな!――ご主人様から賜った言いつけなのだ。

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