二百字掌編シリーズ 『青き目をした同心』

四

「ああ、とっちゃん坊やも呼んではおらぬ。何せ、あやつは口が軽いからのう」

　はたして、直属の上司をも飛ばしたこの会見とは？

　そして木俣様、その先を続け

「おい、青き目よ。果汁組なるものは知っておるよのう？」

　これに破近、すぐさま

「うんにゃ」

「そ、そうか。なら説明するが……」

　果汁組――数年前に裏社会の動きを把握する為、幕府が作った組の名前である。無論、その事は公にはされていない。

「へえ！　そんなんがあるんや！」