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六十五

 二人が裏口から外へ出ていった後


「だ、旦那! 早く後を!」


 騒ぐ喜助に、破近が


「確かに危険な状態やな……」


「な、何を呑気な事を! もういいです!」


 すぐに部屋を飛び出していった喜助、そしてそれに続く親分と蕾。

 その三人の後姿を見ながら、破近がぽそっと


「相手の方が」



 外へと飛び出した三人の耳に届いたのは、お富さんの叫び声だ。


「あーれー」


 だが、次の瞬間――三人とも、我が耳を疑ってしまった。


「おんどれー!」


「えっ?」


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