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三十三

 この言葉に、若干の他意を感じ取った姐さん


「あれま! 常々お名前だけはお聞きしておりますよ。とてもお綺麗な奥方様……らしいって!」


 ここで弱りきってる男が、お富さんに


「この人、冷奴さんって言うんやわ」


「冷奴さんっておっしゃるのですか! これはまた粋なお名前で……季節はずれの」

 

 これに姐さん、少々眉をひそめ


「天は二物を与えぬとは嘘ばっかりで。実際に、こうやっておられるんですからねえ。美しさと……恐ろしさとを」


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