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「そんなあ、しゃべれないし」


 心底困った風の菖蒲殿に


「しゃあないやっちゃな。ほな、聞いたるわ」

 

 破近に尋ねられた秘書のハイーネ嬢、しかし何も答えずうつむいてしまった。


 それを見るや、気色の悪い笑みを浮かべた菖蒲殿


「フッ……仏さん自ら鍵を掛け、おまけに凶器の小刀まで、これ見よがしに床に落ちていた。これも、体に刺さっていたのを彼自身が抜いたんでしょう」


「何故そこまでしたん?」


「フン。簡単な事ですよ、鈴木殿」


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