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九十

 一方の、やはり栄町にいる蕾。例の柿色の着物に身を包んでいるも、そこはくの一、気配なんぞは一切感じさせてはいない。

 そして何かある度に、後方の破近ら三人に報告するのである。


「ご主人様、またもや変装しましたあ!」


「こら臭うな。元々、臭うヤツやけんど」


 やがて、三度目にやってきた蕾が


「今度は、お侍さんに変装しましたあ!」


 これに破近


「ほな、そろそろあいつと会うつもりやわ。侍同士なら、違和感もあらへんさかいな」


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