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十六

 続いて出くわした、丸眼鏡をかけたインテリ風の藤殿。

 破近、さらに一工夫して


「こない疲れた時には、やっぱ甘味が欲しくなりますな」


 これに乗ってきた相手

「お、確かに」


「ほら……あれ? 何だっけ? 焼き型に生地を入れて、その上に餡子乗せて……こんな丸っこいやつ」

 破近、ご苦労なことに手まで使っている。


「ん? ああ」

 相手の顔がほころんだ。


「今川焼きですな!」


「そ、そうやったわ」


 回転焼きと言ってくれるのを期待していた。


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