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十五

 そこにいるのは、丸くて赤ら顔の小柄な同心だ。

 今度はアプローチを変える事にした破近、まずは歩み寄って


「桜殿。相変わらず、お元気そうでおますな?」


「ん? ああ、これは鈴木殿」

 振り向いた丸顔、だが


「『おます』って、どゆこと?」


 やはり無視する破近

「何や急いではるんどすか?」


 しかし、相手はこれにも

「え? 何を急いで『張るん』です?」

 全く会話が成り立っていない。


「えーと……」

 破近が迷っていると


「では失礼!」


「あ」


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