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十四

「ハモって?」

 そう聞き返されても無視と決めた破近、さらに


「丼の後のお茶漬けもよろしゅうおまっせ。千枚漬とかでね」


「千枚漬って?」


「す、吸い物には、やっぱ湯葉やわ」


「湯葉って?」


 ここで相手の表情を見る破近、突然歌いだし

「あねさんろっかくたこ……」


「ああ。暑さで頭が……お大事に!」

 頭を下げた松殿、さっさと行ってしまった。


 その場に、一人残された破近

「こら難儀やわ」


 次に見つけたのは


「あら確か、桜殿やん!」


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