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百十

 しばらくして


「す、鈴木様、来ました!」


 繰り返される波の音に、いつのまにか寝ていた破近


「ん? 何か言った?」


「き、来ましたって!」


「あ、そっか」

 そして、大きく伸びをした後


「ほな、後はわいの言うとおりに言ってな!」



 確かに、一つの影がお鶴の方へゆっくりと近づいてきている。

 やがて、それが目の前までやってき


「逃げても無駄だよ、お鶴」


 一方、頑張って文句を考えている破近。だが、その腕にいつのまにやらフナムシが――


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