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三十

「死んでるな」


 源平に触れている、最も勇気がありそうな直次。


「酷いよね」


 目を覆っている、最も素直そうな輝吉。


「窓、開いてる」


 意見を述べる、最も冷静そうな翔助。


「何で、源平が殺されるわけ?」


 思った事を口にする、最も軽そうなお清。


「ど、どうしよう?」


 顔を蒼白にしている、最も気弱そうな小春。


「早く船長を呼んできてよ!」


 怒鳴っている、最も我がままそうな八重。


 そして――ただただ泣いている、最も優しそうなお鶴。


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