二百字掌編シリーズ 『青き目をした同心』

十八

　怒る破近、思わず

「それにな、誰が最年長……」

　時すでに遅し。口は災いの元。覆水盆に返らず――すぐに隣からギロリと

「旦那。何かおっしゃいまして？」

　この時、いつのまにか下りてきていた男が箱の中をまさぐり出している。

　そして、そこから『一』の番号がついた鍵を取り出し

「じゃあ、こいつを貰っていくぜ！」

　すぐに再び二階へと行き、部屋の中へと姿を消した男。

　姐さん、それを見やり

「身勝手とは、ああいう事を言うんだねえ」