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十五

「ん?」

 破近、隣に鎮座しているご本人に


「菖蒲はん、かまへんな?」


「どうぞどうぞ、何なりと」


「では、申しますが……裁かれた者の逆恨み」

 親分なりに声をひそめて――だが、太いのでよく聞こえる。


「もしくは、冤罪を被された者の仕業かと」


 これに思わず膝を打った破近


「なな、やっぱそう思うわな!」


「しかしその死体がガキというのが、どうも」


「そこやな、朝ちゃん。ほな今から、この同心はんが携わったヤマでも調べよか?」


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