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四十六

「人を小馬鹿にして!」

 とうとう膨れだした菖蒲殿だったが


「第一、せわしないなんて、ひんと……ん? せわしない?」


「気づいたんかいな? まんざら阿呆でもなさそうやな」


 それすら耳に入らない相手、腕中に鳥肌を立て


「ひ、一人だけ、全く動いていない……」


 これに、破近が相手を代え


「なあ、桜はん。こいつの趣味って何やったん?」


「え? 確か、釣りだけど」


「そうやったな」

 頷きながら、破近が皆に向かって


「ほな、聞いてんか!」


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