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十五

 苦虫を噛み潰したような顔のまま、破近が四人に向かって


「なあ。おたくら全員、顔見知りちゃうの?」


 長い沈黙が続いた。

 ようやくこれを打ち破ってきたのは、最年長と思われるタヌキだった。


「拙者は叶長一郎と申します。実は、すぐ下の弟に次郎丸というのがおりましてな」


「武士でっか?」


「左様。して、この次郎丸がある時、切り殺されまして……それも、卑劣にも背後から一太刀で……」

 

 だがそこで涙声となり、その先が続かない。


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