54/1037
十五
苦虫を噛み潰したような顔のまま、破近が四人に向かって
「なあ。おたくら全員、顔見知りちゃうの?」
長い沈黙が続いた。
ようやくこれを打ち破ってきたのは、最年長と思われるタヌキだった。
「拙者は叶長一郎と申します。実は、すぐ下の弟に次郎丸というのがおりましてな」
「武士でっか?」
「左様。して、この次郎丸がある時、切り殺されまして……それも、卑劣にも背後から一太刀で……」
だがそこで涙声となり、その先が続かない。
苦虫を噛み潰したような顔のまま、破近が四人に向かって
「なあ。おたくら全員、顔見知りちゃうの?」
長い沈黙が続いた。
ようやくこれを打ち破ってきたのは、最年長と思われるタヌキだった。
「拙者は叶長一郎と申します。実は、すぐ下の弟に次郎丸というのがおりましてな」
「武士でっか?」
「左様。して、この次郎丸がある時、切り殺されまして……それも、卑劣にも背後から一太刀で……」
だがそこで涙声となり、その先が続かない。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。