二百字掌編シリーズ 『青き目をした同心』

二十三

　その夜、定められた場所についた各自。

　背が高いのを買われ、階段の前で頑張っている松殿。

　二階はというと、その全てが倉庫代わりとなっている。

「ふわあ、暇な役目だなあ」

　一方の指揮官、襖が閉じられた柄門の部屋をじっと見て

「た、単なる脅しに決まってるよな」

　そして、戸口にいる桜殿。先程から顔や腕を叩きまくっているが？

「もう、蚊に噛まれてばっかりじゃん！」

　最後は裏口付近の破近だ。

「むふふ」

　珠世を見ては笑っていた。