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十九

 そして末っ子には、人懐っこい桜殿である。


「お父上に遊んでもらってる?」


 これに、佐政が首を横に振り


「仕事が忙しいから、全然です」


「そ、そうか。仕方ないよなあ」


 質問がまずかったと反省気味の桜殿。だが、相手がそれを察し


「でも母上がいた頃は、父上とよく釣りしてました」


「釣り、好きなんだ」


 ようやく笑みが戻った佐政


「はい、今でも時々一人で」


「そか。で、何が釣れる?」


「同心様に似た……」


「ん?」


「なまずです!」


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