二百字掌編シリーズ 『青き目をした同心』

十三

「これでええんちゃう？」

　他の二名も異議を唱えないのを見た破近

「ほな、一人一人当たっていこか？」

　ここで菖蒲殿が

「それにしても、あの長男って薄気味悪いですよねえ……ひょっとしたら？」

「ん？　何や？」

　この破近の突っ込みに、慌てて手を振り

「い、いや、可能性だけなんだけど」

　そして小声で

「すでに、他人と入れ替わってる……なあんてね」

「ああ、なるほど。ほな、おまえさんの目で確かめてき！　言いだしっぺっていうやんか」