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三十九

 前夜斎、刃亜都に向って


「あ、いえね、先代が早死にしちゃったもんで、この身空で頭目を」

 そして再び正面を向き


「それに破近殿。わざと昨夜に『明日の攻撃には雨はない』と言いながら、ちゃんと大凧を用意するなんて。まんまと裏の裏をかかれました」


「そそ。でな、この娘さん、風魔からわざわざこの為に呼び出したんやわ」


「ふ、風魔ですって! そっか、それは敗れるはずだな」


 すでに、相手の思慮深さにすっかり参っている前夜斎。


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