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三十七

「え?」


 この時、動こうとした男の肩をむんずとつかんだ親分


「あっしはね、二個の林檎を一瞬で飲み物にできますもんで」


 これに顔を歪める男


「あいたたた」


 破近より、すでに身内には明かされていた事だったが、それを指揮官が知る由もない。


「ダメじゃないですか! 長老さんに対して」


「阿呆。この人が、残り一名の前夜斎はんや」


 そう言いながら、破近、蕾に目で合図を送っている。


 やがて、長老が笑いながら


「さすがですね、破近殿」


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