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三十六

 これを見ていた喜助


「旦那も、もてますねえ」


 だが、破近首を傾げ


「何で、冷奴姐さんにだけはもてんのやろ?」


 これに、髪を引っ張り合っていた二人が声を揃え


「ひ、冷奴姐さんだとお?」


 いきなり緊迫した空気の中


「十六、十七、十八……ええっ?」

 今度は、指揮官の方が声を荒げている。


「す、鈴木殿! ひ、一人足りません!」


 だが破近、相手を露骨に馬鹿にして


「何言ってんねん、このとっちゃん坊や。ちゃんと、ここにおりますがな」


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