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十六

 一方、こちらは親分


「旦那。ずっと喜助の姿が見えないんで」


「さぼってるんちゃうの?」


 だがこの時、いきなり聞こえてきた馬のいななき。

 驚く二人が、その方に目をやると


「へっへっへ、こいつ手土産でさあ。敵さんからちょいとくすめてきまして」


 一頭の馬を従え自慢気な喜助に、親分


「馬鹿野郎! 勝手に持ち場を離れるない!」


「へ?」


 褒められこそすれ、まさか怒鳴られるとは思ってもみなかった彼氏。

 すかさず破近が


「菊千代か?」


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