二百字掌編シリーズ 『青き目をした同心』

十

　暑い最中、白兎退治へと村へ向かう総勢二十名。

「誰かさんのせいや」

　この破近のつぶやきに

「あ、あなたでしょが！」

　口から唾を飛ばしながら言い返す明智様だ。

　これに親分が

「まあまあ、お二人さんとも」

　その時、喜助が

「どうやら着いたみたいで」

　だが誰一人として村人の姿は見えず、おまけに入口から雨戸から、その全てが閉ざされている。

「おーい！　誰かおらんのかあ？」

　やはり、喜助の叫びにも反応はない。

「ホンマ、最悪やん！」