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四十二

 もう一方の、こちらは必死で逃げる犬である。

 しかし、その目の前に突如として現れた影が


「おい。まさか、この俺様を抜けるとでも?」


 これに体を反転させた相手、だが素早くその腕をつかんだ猿公、そのまま地面にねじ伏せてしまった。


「いててて……」


 さらに騒ぐ相手の口を大きく開け、中に手を差し込んだ猿公


「おい、蕾! こいつら、奥歯に毒を仕込んでいるからな! それを取り除くんだ!」



 こうやって、捕り物は幕を閉じたのである。


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