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「もう、ええやろ!」

 そう言った破近が着物に手をかけていると、目の先にある襖が開き


「申し訳ありませんが、私どもの囲炉裏にも火をつけていただけないでしょうか?」

 突然現れた若い町人が、隣の女の肩を抱いたまま


「この通り、妻が震えておりまして」


「かまへんよ」



 隣の部屋の囲炉裏にも火をつけ、そこに女を残したまま戻ってきた破近と町人。


「本当に助かりました」

 深々と頭を下げてくる男に、笑顔の破近


「そんなんええって!」


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