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第十一話 くの一たちの隠れ家 一
いつもの橋のたもと
「だ、旦那? どうされたんです?」
冷奴姐さん、朝っぱらから素っ頓狂な声を張り上げている。
「ああ、これ?」
破近が、その鼻に乗っかってるものを指し
「木俣はんにもらいましたん。ほら、わいってこんな色の目でっしゃろ? そらもう、お天道はんが眩しいよって」
そう、茶色の色眼鏡だ。
「あら、そうでしたか」
破近、さらにポーズなんぞをとり
「でな、これで一番になったやろ?」
「いえ、四番目に転落しましたよ」
*ジョン・ディクスン・カー「魔女の隠れ家」への、ほんの1%のオマージュ