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六十一
「因幡屋のお宝が盗まれたのまではわかった。して、その悪事の証拠は、何か残されていたか?」
肝心な点である。だが
「いや、何にもありまへん」
首を振った破近、続けて
「ま、強いて言えば、一人、毒で殺されたくらいで」
「ん? 殺されたとな?」
「ええ、義三郎っちゅう若もんですが」
ここで起こった沈黙の意味がわからぬ破近。
やがて、そんな彼に木俣様が
「や、やはり」
「やはりって?」
「鼬小僧……その真の名は、伊賀の三郎丸だ」
「因幡屋のお宝が盗まれたのまではわかった。して、その悪事の証拠は、何か残されていたか?」
肝心な点である。だが
「いや、何にもありまへん」
首を振った破近、続けて
「ま、強いて言えば、一人、毒で殺されたくらいで」
「ん? 殺されたとな?」
「ええ、義三郎っちゅう若もんですが」
ここで起こった沈黙の意味がわからぬ破近。
やがて、そんな彼に木俣様が
「や、やはり」
「やはりって?」
「鼬小僧……その真の名は、伊賀の三郎丸だ」
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