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五十

「確かにお前の言うとおり、飲ませるのさえ難しいな」

 

 この親分の言葉に、破近


「ほな正直に、『これは漢方薬や』って飲ましたらええんちゃう?」


 意味が理解できぬ三人に、さらに


「例えばな、腹を下すような薬をまず与えるんや。こいつは無味無臭やな。で、相手が腹を痛めた時に、そのまちんなる毒を飲ませる……こいつは良く効く漢方やってね」


「な、何たる逆転の発想!」


 やはりこの旦那、親分のものさしで測れるような男ではない。


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