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四十七

「ありゃ主人の声やな。にしても、贋物如きがなくなったくらいでデカイ声出しよって」


 そう言いながら、何やら懐から取り出してきた破近。

 それを見た親分が


「さ、猿のケツ! だ、旦那、益々疑われますよ!」


「贋物やからええやん。でな、猿公」

 破近、近寄ってきた相手に赤き石を渡し、一言二言しゃべった後


「ほな、気いつけてな。何せ、ぎょうさんの目が見張ってるさかい」


 これに猿公


「大丈夫ですよ。こう見えても、昔あっしは……」


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