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四十六

 決まったか? と思われたこの時、いきなり立ち上がった蕾が身をひるがえし


「まだ、他にもありますう」

 こう言いながら――何と、明智様の頬っぺたを引っ張り出したのである。


「い、痛い痛い!」


 顔を思いっきり歪まされた明智様。目からは涙まで流している。


「あ、本物でしたあ」




「無茶すんなあ、おまえって。明智様、泣いてたやんか」


 破近の言葉に、舌を出す蕾


「てへっ」


 この時だった。隣の座敷から


「さ、猿のケツがなくなってる!」


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