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四十二
「このような事は考えられないでしょうか? 問題の時刻に、同じ人物が二人いたとは」
眼鏡まで歪んでしまった藤殿であるが、そこはさすがである。
「なるほど! 一人が本物で、もう一人が小僧が変装した者なわけね。それならば、今の引っ張り合いも意味なかったんだ」
「意味ないって」
こうポツリと言うのは、元々赤ら顔の桜殿だ。哀しきかな、すでにざくろと化している。
「桜殿、何か言った? そう言えば、倉庫や井戸はどうだったの?」
「このような事は考えられないでしょうか? 問題の時刻に、同じ人物が二人いたとは」
眼鏡まで歪んでしまった藤殿であるが、そこはさすがである。
「なるほど! 一人が本物で、もう一人が小僧が変装した者なわけね。それならば、今の引っ張り合いも意味なかったんだ」
「意味ないって」
こうポツリと言うのは、元々赤ら顔の桜殿だ。哀しきかな、すでにざくろと化している。
「桜殿、何か言った? そう言えば、倉庫や井戸はどうだったの?」
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