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三十八

「どこって、ちょっとばかし調べものがあったもんで。で、何かあったんでっか?」


「うん。盗まれちゃった」


 さすがに、これには目を丸くした破近


「盗まれた、ですって?」

 すぐに目の前の赤い石を見やり


「ほな、こいつって……」


 これに間髪入れずに、先生が


「贋物じゃ!」


「ホンマでっかいな? わいみたいな素人には、同じもんにしか見えへんわ」


 ここで


「じゃあ、皆さん」

 明智様、周囲を見回し


「隣の大広間に、全員集合してください」


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