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三十五

「参った? 一体どうしてくれるんです!」

 

 顔を真っ赤にして怒る主人に


「うーん、この家の中にいる十八人を調べるしかないなあと」


 ちゃっかり、自分を数から抜いている明智様。

 この時、喜助が


「しかし、あっしは……いや、この蕾も、ずっとこの座敷の前で見張ってましたよ!」


 これに親分も


「へい。あっしもです」


「じゃあ、その間は誰も怪しげなやつなんて見なかった?」


「へい、明智様。何度か、先生が客間から出てこられた以外は」


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