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二十四

「どうした?」


 訝る相手に、蕾が藪を指しながら


「あっちから、何か臭ってきますう」


「拙者には臭わんが?」


「菖蒲様。とにかく、参りますう!」


 

 藪の中に入って、奥へと進んでいる二人。

 やがて、ある場所で立ち止まった菖蒲殿が


「これは何かを掘り返した跡だな」

 だが、ここで


「く、くっさあ!」


「じゃあ、掘り返し……うっぷ」


 早くも手で口を押さえる蕾に、菖蒲殿が


「おまえ、くの一だろ……うっぷ」


「菖蒲様こそ、同心……うっぷ」


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