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第十話 怪盗鼬(いたち)小僧 一
「なあ、姐さん。どないしたら、わい、一番になれるんやろか?」
橋のたもとで相も変わらず管を巻いている、これでもシラフの青き目。
「二番で十分じゃないですか」
これに
「アカンて! 一番じゃないと、嫌やって!」
「おやおや、まるで子供……」
この時
「てーへんだ!」
「旦那、お迎えですよ。では」
頭を下げて去り行く姐さん。その後姿を見ながら
「も少し早よう会いたかったもんやな」
その時、隣から
「早くたって、無理ですって!」
*モ-リス・ルブラン「怪盗ルパン」への、ほんの1%のオマージュ