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百二十二

「いや、まあ、その」


 ここんとこ、ずっと歯切れが悪い猿公だ。


「別に、いいんですがあ」


 ここで破近が


「でもな、朝ちゃん。不幸中の幸いっちゅうか」


「何がです?」


「一昨日の朝な、わい、奉行所に行くかどうか実は迷ったんや。でも、行かへんかったけど」


「それが?」


「もし行っとったらな、待ち構えてたハゲにしゃべってたと思うねん、土佐屋の帳面の事を」


「へい」


「そしたらな、あいつ、すぐにでも焼くか何かしたと思うんやわ」


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