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七十四

 そこで傍らに落ちている小石を一つだけ拾い、二階目がけて投げた破近だったが


「反応なし、やわ。ほな、もう一回や!」


 気がつけば、足元の石が全てなくなるくらいまで投げまくっていた彼。すでに、二階の雨戸はボコボコだ。

 ようやく、ここで


「これって、おかしいんちゃうか?」


 玄関に近寄った破近、早速懐から取り出した針金で鍵穴を探っている。

 その脇を通っている町人らが見て見ぬ振りをしている、そんな中


「ちょろいもんやで!」


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